趣 味
【一席】「塵あくた流れる川のひとところ茜の空を映していたり」短歌に「ごみ」を詠みこむ事は難しいものですが、敢えてその・・・
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【一席】「一人又ひとり友の逝く寂しさがキリキリと刺す最強寒波」 お友達が逝ってしまった寂しさを、「最強寒波」に重ねた・・・
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【一席】「瀬音高き年の瀬ようやく渡りたり傘寿の身なれば太き息して」 年の瀬を「瀬音高き」ものと捉え、それを渡るとした・・・
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【一席】「新しきろうそくの火を灯すごとけさ一輪の薔薇(そうび)を活けぬ」 一輪の薔薇を活けた朝、まるで新しいろうそく・・・
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【一席】「夜の海にただ一隻の観光船灯りいっぱい玄海を往く」 灯りを煌々と輝かせて行く一隻の観光船。そこだけが明るいの・・・
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【一席】「三人の戦死の碑(いしぶみ)苔むして山の墓処(はかど)は風鳴るばかり」 「山の墓処は風鳴るばかり」に戦後70・・・
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【一席】「遠くよりアイスキャンディー売る声が聞こえて子等は駆けだしていく」 アイスキャンディ売りの声に駆けだしていく・・・
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【一席】「保育器の中で伸びする孫なれば冷たきガラスに頬寄せて見る」 「頬寄せて見る」ガラスの冷たさに、まだ抱くことの・・・
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【一席】「道幅も家並も変わりし路地裏に地蔵尊のみそのまま坐(おわ)す」 時間の経過と共に変わる環境の中で、お地蔵さん・・・
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【一席】「子等の声公園になし濡れながら卯の花腐(くた)しを恨むぶらんこ」 「卯の花腐し」とは、卯の花が咲く頃の長雨の・・・