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鉢の中に野山の景色。心和み癒す…「情景盆栽」の魅力
『情景盆栽』という言葉をご存じだろうか。岐阜県揖斐郡で盆栽を創作販売している『インテリア盆栽工房BonCyu』代表・中尾浩之さんが創り出した言葉だ。鉢の中に景色を描いた盆栽だという。もうすっかり枕詞になってしまった新型コロナウイルスの流行で、ストレスを抱えている人は少なくない。そんなとき、鉢の中に小さな世界を作り出している盆栽を見たら心が和むに違いない。
観葉植物でもない、高価な盆栽でもない、新たな鉢植えの植物の癒しの力を紹介しよう。
「小さな世界」に惹かれる
「『情景盆栽』とは私が考えた言葉です。鉢の中に野山や庭などの景色をイメージして、土の部分に苔、石、砂をあしらってひとつの景色を描きます。木と鉢を景色で繋ぎ、すべて合わせて魅力を発揮できるような盆栽です」
そう言うのは、盆栽の奥深さを熟知する『インテリア盆栽工房BonCyu(ボンチュー)』代表の中尾浩之さんだ。
中尾さんは情景盆栽の魅力を、こう語る。
「洋風な空間にも似合うように仕立ててあるので、和洋問わずどんな空間にも似合います。たとえば、鉢の中を庭として捉えることにより、ひとつの世界が完成します。今まで盆栽に興味の無かった女性や若い世代の男性にも、その世界観が好まれているようですね」
情景盆栽に鋏を入れる中尾さん
景盆栽の通販も行っているが、顧客の購入の理由は様々だ。
「マンションなどで庭がない方が自宅で自然を感じられるようにと求められたりしますね。また、盆栽そのものに興味をもったものの従来の盆栽では野暮ったいと思った方が購入したり(笑)。購入した方からは『かっこいい』『盆栽の成長を見るのが楽しい』『情景盆栽は奥が深い』といったうれしい感想をいただいています」
盆栽は元々、鉢に植えられた植物を利用して自然や風景を感じるものだという。
中尾さんの手による情景盆栽は、より現代的で愛らしい。それが人々を惹きつけている理由かもしれない。
また、特に女性は「小さな世界」に惹かれる人が多い。そんな人たちにも好まれているのではないだろうか。
初心者はモミジ、桧を
「景色」の作り直しも楽しみ
では、盆栽には疎いながら興味をもった方は、どんな植物を選べばよいだろうか。
「自分で楽しむのなら園芸やガーデニングと同じで、植物を育てることに変わりはありません。難しい事はありませんよ。あえて言うのであれば、初心者の方へのお勧めはモミジや桧ですね。植物が大きくなり、鉢とのバランスが悪くなったら植え替えも必要になります。木も成長し、鉢が変わるとまた違った景色に作り直すわけですが、それも楽しみのひとつです」
幅広い年齢層の「情景盆栽教室」
「情景盆栽教室」の1コマ
中尾さんは、岐阜県にある工房や近郊の愛知県、また東京(東京教室は来年1月再開予定)で情景盆栽教室も開催している。
「参加されるのは、ほぼ盆栽初心者。女性が多いのですが、下は小学生の男の子から上は70代のの方まで幅広い年齢の方が一緒に学んでいます。堅苦しいことは言わず、完成度を上げるアドバイスをしています。楽しんで作っていただくのがいちばんです。その方が良い作品ができますからね。教室は年齢を超えて和気あいあいとした雰囲気です。講座で仲良くなって、一緒に遊びにいく方も多いですよ」
自分が作った作品を飾っておくと、訪問者が「素敵!」と褒めてくれ、それが励みになるという人も多いそうだ。
命をもっているからか、植物というものは偉大だ。まさに癒しではないだろうか。生花ももちろん素晴らしいが、情景盆栽という愛らしい世界観も楽しんでみてはいかがだろうか。
情景盆栽のお問い合わせは、インテリア盆栽工房BonCyuまで。
■インテリア盆栽工房BonCyu
電話0585・22・6439
https://boncyu.ocnk.net/
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