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長寿の秘訣は口の健康!「オーラルフレイル」チェックを
「オーラルフレイル」という言葉をご存知だろうか。聞き馴染みがないかもしれないが、オーラルは「口腔」、そしてフレイルは「虚弱」という意味で、口腔機能の虚弱化という意味だ。健康で長生きをするためには口の健康を保つことが重要ということは本紙読者ならば既にご存知かと思うが、口の健康とは単に虫歯を予防するだけではなく、口腔機能全体を健康に保つということである。今月はこのオーラルフレイルについて詳しく解説し、口の健康を保ち、そして健康長寿を目指す秘訣を探ってみた。
食べこぼし・固いものが噛めない…
口腔機能老化の初期症状
オーラルフレイルは、いわば口腔機能の老化の初期症状である。食事の際に食べこぼしが増えたり、固いものが噛めなくなったり、むせることが多くなったり、さらには会話の際に滑舌が悪くなったりする。
「口腔機能」といっても、その役割は食事をすることだけではなく、実に様々な役割を担っている。大きく分けると「食べること」、「話すこと」、そして「感情表現」、「呼吸」や「感染防御なども含まれる。オーラルフレイルはこような口腔機能の些細な衰えから始まり、心身の機能低下(フレイル)にまで繋がってしまうと考えられている。
オーラルフレイルで口や喉の周りの筋肉が衰えると、飲み込んだものが食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥」が起こりやすくなる。するとその結果、食べ物や唾液に含まれた細菌が誤って気管から肺に侵入し、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるのだ。
「オーラルフレイル」チェック
65歳以上の5割「危険性ある」
自分自身がオーラルフレイルであるかどうか、その危険性を自分で簡単にチェックする方法がある。表に示した「オーラルフレイルリスクチェック」の8項目の質問に(はい・いいえ)で答え、その点数を合計し、3点以上であればオーラルフレイルの危険性あり、4点以上であればオーラルフレイルの危険性が高いということだ。
オーラルフレイルに対する対策啓蒙を行っているサンスターグループが、このオーラルフレイルリスクチェックを一般の男女6百人を対象に調査を行ったところ、65歳以上の人の実に5割以上が「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」に該当することが分かったという。
日々、口の中を清掃する
口腔機能を維持・改善
自分自身で行えるオーラルフレイルへの対策は大きく分けて2つの方法があるという。
1つ目は、歯を失うとオーラルフレイルになりやすくなるため、歯を守るために常に口の中を清潔に保つことである。歯垢付着を防ぐには、適切なブラッシング(歯とハグキの間を磨く)とともに、歯間ブラシなどを活用すると良い。またマウスウォッシュ(洗口液)や液体ハミガキなども上手に使い、日々の口腔内清掃に楽しくバリエーションをつけて取り組むのがおすすめだ。
2つ目は、口腔機能、つまり歯と口の働きの維持・改善に努めること。噛む、飲み込む、発声する、笑うといった動作は、唇や舌、口周辺の多くの筋肉がスムーズに働く必要がある。以下に紹介する「口と舌の体操」や「唾液腺マッサージ」などを行って、筋肉や唾液腺がしっかり働く健やかな口腔機能を維持しよう。
■口の開閉と舌のストレッチ
「ア」の発音のようにゆっくり大きく口を開けます。
しっかり口を閉じて、口の両端に力を入れながら、舌を上あごに押し付けるようにして奥歯を噛みしめる。
■舌のストレッチ
口を大きく開けて、舌をできるだけ出す。
上唇を舌先で触る。
左右の口角を舌先で触る。
■口輪筋の運動
頬をふくらませて、舌を上あごに押し付けて、口から息が漏れないようにこらえます。
息を吸うように口をすぼめます。
■パタカラ体操
「パタカラ」と発音する。「ラ」の発音は舌全体を上下にしっかり動かす。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」そして「パタカラ、パタカラ、パタカラ…」と続けてできるだけ大きな声ではっきりと発音する。
■唾液腺マッサージ
以下の3か所の唾液腺を顔の表面からやさしく刺激することで、唾液がたくさん出るようになり、食べ物が口の中でまとまり、飲み込みやすくなる。
耳下腺:耳の前、上の奥歯のあたり
顎下腺:あごの骨の内側の柔らかい部分
舌下腺:あごの先の内側、舌の付け根の部分
今、コロナウイルス感染予防のために、家に閉じこもることが多くなってはいないだろうか。特に我々高齢者の場合は人との繋がりや生活範囲の減少が口腔トラブルを引き起こす可能性を高めてしまう。
オーラルフレイルについてより詳しく知りたい方は、「サンスターオーラルフレイルプロジェクト」のサイトをご覧いただきたい。
https://jp.sunstar.com/oral-frail/
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