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2020年02月04日
社会保障制度の改革待ったなし。年金、雇用、医療など問題山積…
政府は昨年末、『全世代型社会保障検討会議』(議長・安倍首相)を開き、年金や雇用、医療分野に関しての制度見直しを盛り込んだ中間報告をまとめた。
医療では、75歳以上の後期高齢者が病院窓口で支払う自己負担割合を「一定所得以上ある人は2割」とする『応能負担』に切り替えていく方針を示した。
現在の自己負担は原則1割で、現役並みの所得がある世帯は3割負担。改革後は、現役並みの所得がなくても、年金収入などが一定以上あれば2割負担となる。
「一定所得」の額の線引きは今後詰め、今夏をめどに最終報告をまとめて2022年度までの実施を目指す。
見直し改革のもう一つの柱が、「希望する高齢者には70歳まで就業機会を確保できるよう企業に努力義務を課す」ことだ。元気な高齢者には働いてもらい、社会の支え手を増やすという考えである。
同時に、公的年金の受給開始年齢の上限を75歳に拡大し、最大1.84倍の年金を受け取れるようにする意向。いわば、年金制度見直しと労働改革を一体で推し進めようというのが特徴。
社会保障給付費は、2018年度の121兆円が2025年度には141兆円に膨らむ見通し。少子高齢化で、現役世代の保険料で高齢者への給付を支える構図は成り立たなくなった。団塊の世代の後期高齢化が始まる2022年を見据え、制度改革は「待ったなし」の状況に置かれている。
中間報告では、医療分野の見直しが着手される一方で、介護分野は置き去りにされたかたち。深刻な介護人材の不足や地方の医師不足など喫緊の課題が山積している。
「老後安心できる社会保障制度」にはまだ道半ばという感じだ。(老友新聞社)
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