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乳児にハチミツは危険!?知っておこう!祖父母世代とは違う「孫育て」の常識・非常識
夫婦のいる一般世帯における夫婦共に就業者、つまり共働きの世帯の割合は47.6%だそうだ(平成27年国勢調査就業状態等基本集計結果より)。このような背景もあり、読者の中には日常的に孫育てをしている方も多いだろう。しかし、読者の世代が子育てをしたころの常識が、現代では非常識とされているものが多いのはご存じだろうか。また、孫守のストレスも否めない。そこで、円滑な「孫育て」のためにいくつかの角度から情報を集めてみた。
「離乳食にハチミツはダメ」
今昔で違う育て方・食事とは?
今年3月、生後6か月の乳児が食中毒で死亡した。原因は離乳食に加えられたハチミツだった。ハチミツにはボツリヌス菌が入りこむ可能性が高く、腸内環境が整っていない乳児にとっては乳児ボツリヌス症を引き起こす原因となりうるのだ。そのため、関係機関は注意を呼びかけている。
しかし、そもそも厚生労働省が初めてこの注意を通知したのは1987年のこと。若い親にとっては常識だが、祖父母世代に知らない人が多かったという。
このように祖父母世代が知らないことは少なくない。ちなみに黒糖、非加熱の野菜ジュース、きび砂糖も同じ理由で避けなければならない。
食事に関して、昔と現在とでは異なる情報をあげよう。
《卵》7か月目ごろから。少量の黄身から与える。白身は9か月以降。
《ゼラチン》動物由来の原料なので内臓への負担が大きい。1歳以降から。
《白湯》離乳食が始まるころまでは、特に飲ませる必要はない。
《水》水道水は1~1歳半以降、ミネラルウォーターは赤ちゃん用を。
《牛乳》牛乳貧血やアレルギーの原因になることがある。与えるのは1歳を過ぎてから。
《ジュース、アイスクリーム》3歳以降から。
食べ物以外でも子育ての常識は大きく変わった。現在の育児の考え方を紹介しよう。
《抱っこ》抱き癖がつくことはない。スキンシップが子どもの情緒安定につながるなど、専門家が抱っこを推奨。
《授乳》かつては3時間おきに授乳といわれたが、現在は母乳の場合、ほしがったら与える。
《卒乳》子どもが自然と離れるまで授乳。WHOは2歳以上まで授乳することを勧めている。
《離乳食》大人が食べているとよだれをたらしたり、興味を示すようになったときが離乳食を始めるタイミングだ。
《虫歯対策》虫歯菌の感染を防ぐことが第一。3歳までは食器は別、キスはしない、大人が噛んだものを食べさせない。
《おむつはずれ》平均して2~3歳でスタートすることが多いが、子どもの体調や発育を尊重して焦らずに進める。
「負担」に感じる祖父母も
「親」とのコミュニケーション大切
ここまで、祖父母世代の育児に関する考えは古すぎるという印象を与えてしまったかもしれない。しかし、もし情報が古ければ、これを機会に更新すればいいのだ。と同時に、ときに「孫育て」が負担になっている事実も考えよう。
実は、孫の親(自分の子どもとその配偶者)は「祖父母は孫の世話をするのが幸せ」と信じている人が少なくない。
たしかにそういう祖父母もいるだろう。だが、そんな人ばかりではない。自分のやりたいことに時間を費やしたいと思う人もいるだろう。孫育てでの体力の消耗は大きく、負担に感じる祖父母も少なくない。予定をキャンセルして孫育てしなければならないと不満を抱くことも。よかれと思ってしたこと、言ったことを否定されることもある。また、子育てには口出ししてほしくないという親は非常に多い。
一方で感謝されたり、信頼されると嬉しいと思うことだろう。孫が懐けば孫育てはいっそう楽しくなる。
大切なのは孫の親とのコミュニケーションではないだろうか。親と祖父母のお互いが孫育てに関して何が喜びで何が不満か語り合うのだ。
また、祖父母には祖父母の人生がある。孫育てをできない、あるいはしたくないからできない、その気持を理解してもうことが重要だ。
「孫育て疲れ」でトラブル
自治体が講座・サポート冊子
最近は孫育てをする人が増え「孫育て疲れ」を含め様々なトラブルが増えている。これに対し、関連機関や行政が「孫育て」をテーマにした講座を行ったり、出版物を発行している。子育ての知識、トラブル対策などに興味のある方は参考にされてはいかがだろうか。
■自治体が発行する孫育てに関する冊子
*埼玉県さいたま市『笑顔をつなぐ孫育て』
*熊本県『子育てサポート孫育て手帳』
*神奈川県横浜市『地域と家族の孫まご応援ブック』
*岐阜県『孫育てガイドブック』
*石川県『いしかわ孫育てガイド』
※各自治体の公式HPから各冊子をダウンロードすることができます。
孫育てに焦点を当てた便利なグッズもある。こういったものを利用することで、孫育ても楽で楽しくなるだろう。いずれもBABAラボ/電話&FAX048-799-3214
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