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2024年11月01日
「プリンシプル」を生涯の信念とした白洲次郎の資料館「武相荘」を訪ねて
(写真はイメージです)
朝晩と昼間の寒暖差が大きく、季節の変わり目は体調を崩しやすい。年を取るごとに、そのことを実感する。北海道からは初雪の便りが届いた。
東京郊外・町田市にある「武相荘(ぶあいそう)」を訪ねた。白洲次郎・正子夫妻の旧宅で、夫妻が亡くなった後、記念館・資料館として一般公開されている。武蔵国と相模国の境にあることと、「無愛想」にかけた次郎独特のユーモアから名付けられたという。
白洲夫妻は戦時下の1942年、当時の鶴川村にあった約2000坪の農地付き茅葺きの農家を購入し、自給自足の農民生活に勤しむ。終戦後の1945年、吉田茂が外務大臣に就任すると、次郎は側近として請われて終戦処理に当たる。占領軍相手に「戦争に負けはしたが、奴隷になったわけではない。言うべきことは言わなければならない」と媚び諂うことなく直言居士の本領を発揮。GHQから「従順ならざる唯一の日本人」呼ばれたことは有名だ。
白洲次郎の生涯を通じた信念は「プリンシプル」である。翻訳すると「原理原則」であり、「物事の筋を通すこと」である。それも偉ぶらず、功績は語らず。
「プリンシプルを持って生きれば、人生に迷うことはない。プリンシプルにそって突き進んでいけばいいからだ」「白洲次郎100の箴言」(笠倉出版社)―次郎が口癖のように語っていたという。
普段使いの骨董の陶磁器・椀や正子愛用の着物など、夫妻の確かな美意識が感じられる生活の品々に目が奪われた。門前には禅寺丸柿の実が色づき、懐かしい里山の風景に心和むひとときを楽しんだ。
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