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高齢歩行者 交通事故防止策
早いもので、新年を迎えると令和になって5年目となる。読者のみなさんの今年の抱負はなんであろうか。新しいことに挑戦するもよし、趣味や勉学をさらに極めるもよし。しかし何より、本紙は読者のみなさんの健康と安全を祈って止ない。今号は高齢歩行者の交通事故の防止策を取り上げたい。ちょっとしたことで高齢歩行者の事故は防げる。ぜひ記事を参考に、今年も健やかに過ごしていただきたい。
65歳以上の事故は3倍超
最初に、交通に関する質問をしよう。
「横断歩道がない道路を、高齢者が横断していた。このとき、ドライバーはどうすべきか?」
ドライバーはクラクションを鳴らして高齢の歩行者の注意を促し、通過するべきか。あるいはその歩行者の通行を邪魔せず、徐行か停止をするべきか。正解は、「一時停止し、又は徐行をして、その通行を妨げないようにすること。」(道路交通法第71条〈運転者の遵守事項〉2の2)だ。だが、高齢者や身体障害者などの安全確保のための法律があっても、残念なことに高齢歩行者を巻き込む交通事故は少なくない。高齢歩行者自身が覚えておき、気をつけることで交通事故を避けられることがある。しかも、それはけっして難しいことではない。それを知ろうではないか。
歩行者の交通事故における65歳以上の割合は、それ以外の年齢層に比べて3倍以上に上る。そしてその原因の多くは「ルール違反」だという。
では、どのような状況で交通事故が起きているのか見てみよう。
事故はどのような状況で起きる?
①自宅から500m圏内が危険
買い物帰りの道や、友人宅からの帰り道など、通いなれた道での事故が半数以上を占めている。慣れた道で気持ちが緩んでいることがあるのかもしれない。今後はむしろより気を引き締めたい。
②事故は夕方16時頃から増え、17~19時台に集中
高齢になると夜間の視力が落ちるが、ドライバーも目の疲れが出始める時間帯だ。夜間は明るめの色の衣服を着たり、反射素材の服や小物を身につけることをおすすめする。
③横断歩道のないところを横断していたり、横断禁止の道を横断
「渡れる」と考えて道を渡り始め、途中で危険に気づいたときには回避行動が取れないということがままあるようだ。横断歩道を渡ることは非常に大事なことなのである。
また横断歩道でも信号無視はNG。青信号が点滅し始めたら渡らず止まって待とう。
④走行している車両の前後を横断(横断歩道がない道の場合)
目の前の車に集中し、他の車に気づきにくい。自分の危険度が認識できないのだ。これらが最たる事故発生要因である。
他にも気をつけたいことがある。
・自転車を利用している場合は、一時停止では絶対に止まる。
・「ドライバーは自分に気づいているだろう」と思わず、ドライバーの死角に注意する。
・横断しようとする道でオートバイがこちらに向かってくるとき、オートバイは小さいので遠くにいるように見える。だが実は思った以上に近距離にいることがある。過信は禁物だ。
・停まっている車や建物の陰から飛び出すことも大変危険だ。歩行者の急な飛び出しに、ドラバーも対応が遅れることが多い。
一つひとつは小さなことで、日常生活でもよく見る風景かもしれない。それが「ヒヤリ」ですめばラッキーだ。しかし、これらの小さなことを忘れずに、怪我をせず安寧に過ごしていただきたい。
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