医療と健康
2019年04月30日
「空白」の乗り越え方
学校を卒業、長年勤めた企業の退職…春にはいろいろな旅立ちがあります。
長年勤め上げた会社を定年退職し、自由な生活を手に入れた――という先輩や同僚の話を聞き、うらやましさを覚える「現役」の人は多いことでしょう。
しかし、何かをやり終えるということで心に生じる「ぽっかりとした空白」は決して小さいものではありません。
今まで励んできたことが達成されてしまうと、これから何をしてよいのかわからず、呆然としてしまうことがあります。寂しいような、むなしいような気持ちでいっぱいになるのです。
これには、年齢は関係ありません。バリバリと働いているビジネスパーソンであっても、難しい仕事を終えたと同時に「ぽっかり感」を味わうこともあります。
また、就職戦線を勝ち抜いた新入社員や、介護や子育てを終えた主婦にもこうした状態がみられます。人生のさまざまな場面で訪れる、こうした「ぽっかり感」が長引くと、むなしさが募り、うつ的になることもあるので注意が必要です。
長引かせない秘訣は、何か成し終えたあとに「ぽっかり感」は必ずやってくるということをあらかじめ意識しておくこと。若者には、年長者が「そういうことがあるものだよ」と伝えておきましょう。
何かに取り組んでいるとき、生活を「それ一色」にしないことも心がけたいものです。なかなか難しいのですが、「勉強だけ」「その仕事だけ」「子育てだけ」に集中しすぎるとそれが終わった後に人生の目標を失います。意識をいろいろな矛先に向けておくことが、こうしたリスクを減らすことになります。
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- 山本 晴義 医師
- 心理カウンセラー
日常よくある心の悩みについて、山本先生が解説します。心を健康に保ち、毎日健やかに過ごしましょう!
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