趣味
2021年05月06日
「落ち葉踏むわが足裏にさわりたるどんぐり幾つか音に声あり」2021年5月入選作品|老友歌壇
老友新聞2021年5月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
落ち葉踏むわが足裏にさわりたるどんぐり幾つか音に声あり
荻野 徳俊
足裏に触れる幾つものどんぐり。それぞれにそれぞれの音があり、それらの音を声と感じた。作者独自の発見があります。
二 席
神さまのおくりものとか物忘れほどほどにありてほどほどに生く
松尾 勝造
物忘れは神様の贈り物。神経質にならず、ほどほどに忘れて生きる事がいいのだという姿勢に、齢を重ねる味わいを感じます。
三 席
杖の人渡りきれるか踏切を自転車止めて無事を見届く
五木田 時子
よく晴れた日の午後という事でしたが、その情報を歌に入れなくても、そんな場の雰囲気を一首は十分伝えています。
佳作秀歌
雲の下に流るる雲か観音様の姿と見えて暫し歩を留む
内野 光子
雲の下にも雲がある。その発見がいいですね。笛を吹きながらゆっくり動いておられる観音様が見えるようです。
あぁだこうだとあまた悩みて現在(いま)がある雛に優しき言葉をかけぬ
山岸 とし子
いろいろ悩みながら現在まで生きてきたと思うと、優しい気持ちになりますね。
幼鳥のしぶきを上げて親を追う白鳥群れてダム湖に憩う
菊地 幸子
ダム湖に群れる白鳥。毎冬の風物詩ながらその時々に新たな発見があります。
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