趣味
2019年11月11日
「日傘さし信号待つ間も電柱の片陰に寄る晩夏の昼」2019年11月入選作品|老友歌壇
老友新聞2019年11月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
日傘さし信号待つ間も電柱の片陰に寄る晩夏(おそなつ)の昼
宮本 ふみ子
晩夏といってもまだまだ暑い昼。「電柱の片陰に寄る」という表現で、その暑さを読者に想像させます。
二 席
秋の夜の天の川へと駆けのぼる鎮守祭りの練習太鼓
上田 昭子
太鼓の音が「天の川へと駆けのぼる」ように思えた作者。大きく勇壮な音と、天に煌めく星々、澄んだ空気まで伝わります。
三 席
学童の朝のあいさつ戻り来て九月始まる豪雨の中に
櫓木 香代子
九州北部の集中豪雨被害が甚大だった八月が明け、夏休みが終わった子供達の「おはよう」の明るい声が帰ってきたことに安堵します。
佳作秀歌
雑記帳に病状記す友の文字激痛走ると歪みたる文字
荻野 徳俊
感情を押さえ歪んだ文字という事実を言うだけで、友の激痛の程が伝わります。
山女釣る人岩となる夏の朝山、川、風も只ただ無口
王田 佗介
渓流釣りの人の全く動かない様子を「岩となる」とし、下の句で静寂さを表現しました。
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