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2019年08月06日

「駅へ行く高校生の自転車に肩を並べて夏の風となる」2019年8月入選作品|老友歌壇

老友新聞2019年8月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

駅へ行く高校生の自転車に肩を並べて夏の風となる

清岡 晃

高校生と二列になって、同じ速度で自転車に乗った爽快感が「夏の風となる」によく表現されています。

二 席

錆びついた発想の扉(と)を開けてみる宇宙の指令あるかの思いで

岸 慶子

このような発想自体が素晴らしいですね。扉をあける音まで聞こえてきそう。SF小説の一場面のようです。

三 席

草むらに伏すは子猫の亡骸(なきがら)かどきりとして見る朴の枯葉を

上田 昭子

子猫の亡骸かと思って怖々近づいて見れば朴の枯葉だった。日常の一場面をさらりと切り取りました。

佳作秀歌

里山の青葉若葉の濃淡よ緑のモザイク滴るごとく

宮本 ふみ子

青葉若葉がモザイクのようだと感じた作者。焦点を絞ってこのようにしました。

手の平に一錠だけの消化剤歩くが良しと呑まないでおく

櫓木 香代子

薬に頼らないこの心意気、いいですね!歩くのが一番です。

夏きざす商店街の店先に行き交う人等に街路の木々に

王田 佗介

街全体が初夏の雰囲気になってきた様子が勢いのある表現で伝わります。

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