趣味
2016年03月01日
2016年3月入選作品|老友歌壇
一 席
Tシャツの「風」の一文字ふくらませ階段駆け上る若き脚
荻野 徳俊
駅での情景でしょうか。「風」の一文字ふくらませ、が若さを表現して見事です。又、結句を「脚」で収めたのも効果的です。
二 席
縁側に雨戸しめかね暫し佇つ呉(くれ)岳(たけ)のぼる大き満月
塩谷 千鶴子
大きな満月の美しさにしばらく魅せられていた作者。この同じ月を同じように見ている人がいるのだなぁなどとも思われて。
三 席
傘寿とても女は女ウインドウの冬の帽子にときめくこころ
上田 昭子
お洒落心と、ときめくものを持ち続ける人は、幾つになっても若々しいですね。素敵な帽子だったのでしょうね。
佳作秀歌
新しき日記に刻む我が文字の大小さまざま躍りておりぬ
葛西 ヤヨヒ
新年を迎えて日記も新しくなりました。心も新たに書き続けて下さいね。
日もすがら荒れし北風収まりて誰かが口笛吹きつつ通る
松尾 勝造
一日中荒れ狂っていた風がやんで、ふと口笛が聞こえた。ほっとする瞬間です。
小春日にひなたぼこする野良猫へ一声かけてベンチに座る
飛田 芳野
猫も作者ものんびり日向ぼっこの時間。
中国の大気汚染をテレビに視て真青に澄める空仰ぎ見る
石野 文子
澄んだ空の下で暮らせる幸せを改めて感じます。
来い来いと呼べば鶺鴒そばに来るたんぽぽ一輪咲く道の辺に
勝亦 ふさ子
作者の言葉がわかるかのようにそばに来るかわいい鶺鴒です。
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