趣味
2019年02月12日
「生国はいずこの森か鉛筆を削ればかすかに木の香が匂う」2019年2月入選作品|老友歌壇
老友新聞2019年2月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
生国はいずこの森か鉛筆を削ればかすかに木の香が匂う
松尾 勝造
鉛筆を削る時にふと持った感慨。どこの森から伐り出されたのだろうかと思いを馳せる時、その森へのロマンが広がります。
二 席
小走りに横断歩道を渡る児の黄色の帽子が夕陽をはじく
荻野 徳俊
黄色の帽子が夕陽を「はじく」と捉えた。急いで渡る子供と晩秋の風景が読み手に生き生きと伝わります。
三 席
盤根に三百年の時秘めて丹波に生きるおがたまの木よ
岸 慶子
丹波市兵主神社にある樹齢三百年といわれるおがたまの木。「盤根に三百年の時秘めて」の表現が様々な歴史を感じさせます。
佳作秀歌
尾鈴嶺の稜線闇に消ゆるときふと哀しみの胸をよぎりぬ
青柳 忠良
尾鈴嶺という大きな景が闇に包まれる頃、ふと感じる哀しみ。共感を誘います。
夕間暮れ今日のねぐらの相談かカラス群れなしぐるぐる廻る
小林 良一
カラス同士でお喋りをしているような夕方の景を、ちょっとユーモラスに描きました。
運動会スタートラインに立つ孫は手を振るわれに手を振りかえす
飛田 芳野
今まさに走ろうとしている時にも、おばあちゃんが手を振れば振り返す孫の可愛さ。
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