趣味
2017年12月11日
「子供らの水鉄砲は弧を描き小さき銀の水玉散らす」2017年11月入選作品|老友歌壇
老友新聞2017年11月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
子供らの水鉄砲は弧を描き小さき銀の水玉散らす
荻野 徳俊
水鉄砲の水が無数の光となって散る様子を「銀の水玉」が散っているようだと感じた作者。夏の一瞬の感動を切り取りました。
二 席
北の大地に初出勤の孫は今日「十勝日誌」なる菓子送りきぬ
宮本 ふみ子
北海道に赴任し初出勤の日に、お孫さんから感謝を込めてお菓子を送ってきたのでしょう。読者にも嬉しさが伝わります。
三 席
老い重ねいずれか一人残る日に互いに触れず庭の草引く
若松 政夫
初めてのご投稿でしょうか。夫婦のどちらかが残る日のいつかは来る事を思いながらも、互いに触れずに黙って草を抜く心情が共感を呼びます。
佳作秀歌
席譲る眉美しき少年の胸の校章は吾が母校のもの
福田 浩明
「眉美しき少年」で、端正な面立ちやきちんとした立ち居振舞いが想像されます。
暑き日はここまでで良しと妥協せりわが席にのみ掃除機かけて
山岸 とし子
暑い日は無理をせずできるところで止めておきましょう。自然な表現がいいですね。
遠き地の知らぬ女(ひと)より便り来ぬ老友新聞の力を思う
小林 良一
「私の散文をほめてくれました。初めてです」と作者。どんなに嬉しかったでしょう。
夕顔のむらがり咲けるこの夕べ甘き匂いが白蛾を呼べり
山東 二郎
夕顔の甘い匂いに誘われて白蛾が集まってくる夏の夕方のひと時。映像が浮かびます。
この夏の思い出語り尽くすごと声張り上げて鳴く法師蝉
王田 佗介
短い命を生きる間の、蝉には蝉の思い出があると思わせてくれる歌です。
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