趣味
2023年12月12日
「湧きいずる湯に手を入れて不思議なり地球の肌にふれたる思い」2023年12月入選作品|老友歌壇
老友新聞2023年12月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
湧きいずる湯に手を入れて不思議なり地球の肌にふれたる思い
藤本 洋子
「地球の肌に触れた」という捉え方が秀逸です。地球の誕生は、およそ四十六億年前。その悠久の時間へ思いを馳せつつ、不思議だと思いつつ、温泉に浸かっている「今」の幸せ。
二 席(折込 藤袴)
不自由な 時代生き抜き 晩年は 家族の愛の 真ん中に居る
王田 佗介
「藤袴」の折込です。分かり易いように、各句を一字ずつ空けて記載しましたが、本来は字を空けません。「家族の愛の真ん中に居る」は、簡潔でありながら豊かな表現です。
三 席
身の丈をまた一センチ縮めたる年月(としつき)連れて湯舟に浸かる
岸 慶子
骨が縮むからだそうで、だんだん背丈も縮んできますよね。「年月連れて」に、哀愁と様々な思いが込められ共感を誘います。
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