11月は無審査３作品が選ばれました（編集部）

無審査

塚田　濤石

楷書作は沈着に運筆され整斉なる字形で、布置・落款共に要を得ております。
行書作は独特の風趣を有し、一貫した呼吸で余裕があり力量の程が窺えます。
草書作は連線の妙が有りますが少々字形をデフォルメしすぎた感があるように思われます。

齋藤　北城

楷書作二点は安定し風韻を得た味わいがあります。二行目の二文字を少し中央に寄せてお書きになれば、より布置も定まったことでしょう。
行書の「好鳥…」は運筆の速度が速すぎた感がありますのでご留意下さい。
「喬木…」と書かれました作はすっきりと明るく清雅に仕上げて下さいました。

藤田　貢外

自運書二点は暢びのある筆致で、独特な文字の構成を用いて自由にお書きになっております。「海水…」作は少々線質が軽すぎるように思われます。「空山…」作は「空・氣」の字形は良いのですが、他三文字は字形を作りすぎているように思われます。
行書に秀でた元の一人者と称された趙子昴の臨書作は紙面に躍動感があり確りとした筆調で全体を纏め上げ好臨です。