今月は「富は足るを知るに在り」が特選に選ばれました。無審査は２作品。（編集部）

特選

松尾　勝造

読み＝富は足るを知るに在り
９０歳を越えられた方ですが、運腕大きく書線の雄勁なる表現は立派です。
紙質の影響もありますが、筆が紙面を確実に捉え懐の広い造形が語句の意を表現されているかのように、布置もゆったり広く纏めた送筆を評価し、特選とします。

無審査

栗野　孤舟

辺りに香りが発するがごとく清楚な筆致でスッキリと明るく五文字を纏めて下さいました。
文字は小粒ながら空間に負けない力強い筆致を有し、結構よろしく見事な楷書作です。

齋藤　北城

紙の中央を広く空けてスッキリといつもより文字も小ぶりにしてお書き下さいました。
気負いなく、自然な運腕で風情有る作に仕上げております。余白を造ることにより涼しさが表現されていて、作風がより深みのあるものへと変化しているように思われ、真面目な書作態度に好感。