趣味
2017年09月26日
8月は特選2作品と無審査が2作品。|皇寿書壇2017年8月入選作品
今月は「喬林時に衣を曝す」「夏雲竒峯多し」の2作品が特選に選ばれました。無審査は2作品。(編集部)
特選
市原 静鶴
読み=喬林時に衣を曝す
切れ味のある筆致で気脈は一貫し流動感よろしく五文字纏めて下さいました。
「喬」字がやや傾きましたが、「林」字の強靱な終筆が補い含蓄のある作品とさせております。
行書の字形は動態であることが望ましい。この作、それぞれの文字の姿がその場に於て必要に姿勢をとることが出来て筆の動きがよく生気溢れております。
丸山 茂保
読み=夏雲竒峯多し
「夏」字は大きく「竒」字などの字形もいま一つ定まっておりませんが、起筆は筆を中へ巻き込み、転折は筆を打ちかえる、波磔(右払いの筆づかい)はじっくり払い出す、長横画や左右の払いをのびやかにするなどの隷書の基本的な筆づかいを注意しながらすっきりと仕上げて真面目によく学書されていることが伝わる作なので特選とします。
無審査
鈴木 瑞峰
楷書作は字形を扁平にし、厚みのある筆致で健勁ですが、「幽・観」字が大きく2行目の2文字が小さく左側に寄りすぎて布置が悪かったことが残念です。
行書作も「観」字を大きく書きすぎた感がありますが、温潤な筆致で送筆にメリハリがあり全体的に観ますと余白に流動性があり、うまく纏めた作です。
草書作は強靱な筆力から切れ味が生じ、秀勁な書線で老いなどは感じられません。
久米 恵泉
行書作は「飛」字の一画目の線が右肩上がりに書きすぎておりますが、枯淡にして味わい深き作です。
草書作はご高齢ですが気脈は一貫し、筆をよく吊り上げて丁寧に運筆されていることが素晴しい。
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