趣味
2月は特選が4作品と無審査が1作品。|皇寿書壇2024年2月入選作品
2月は特選4作品と無審査1作品を掲載いたします(編集部)
特選
飯塚 英子(翆瑶)
読み=月白く風清し(秋夜の形容)
四文字を自運の行草作にて気持ち良く運筆し仕上げて下さいました。暢達した線条・整斉なる形意・用筆の妙いずれも完成度の高き見事な作です。
またお名前の下に小さな印を押されたことにより明るく作品が一段と引きしまりました。
押印はただ押せばよいというものではなく落成款識の意であり作者が署名・押印することにより書画を完成させるものですから大変重要なものです。このことをよく心得てこの作は押されております。
中里 薫(紫泉)
読み=専工小しく劣ると雖も・而れども
孫過庭の書譜を臨書して下さいました。
墨は青墨を使用して淡墨である為に筆路がより分明で形意よろしく澄んだ線条は美しく伸びやかさと勁さが表現されております。
落款(お名前)をもう少し丁寧に結体よろしくお書きになればより見映えした作となったことでしょう。
吉田 美枝子(紫芳)
読み=寒を凌ぐの竹(寒気にまけない竹)
紙質と運筆・筆圧の加減によりほどよいカスレが生じ文字に墨色の濃淡の変化があり「凌」字は懐が狭く結体も悪く感じますが寒気に耐えるかの様に、また「竹」字の終筆を長く引くことにより全体のバランスも保ち強い竹を文学的に表現されております。
大塚 一栄
読み=水遠く山長し(ひろびろとした水、うち続く山々)
技法的には稚拙でありますが筆力があり気宇も大きく風格ある筆捌きで堂々の四文字作、何とも大胆なる送筆を評して特選とします。
無審査
齋藤 北城
読み=月を待ちて清渓に過ごす(清らかな谷川の流れにて月の出を待つ)
同じ語句を楷行と二点ご出品下さいました。
楷書作は直勢(相対する二本の線が垂直に書かれている)とし骨法勁くどっしりと仕上げております。行書作は筆がよく動き布置よく纏め形意整い浮線なく引きしまった仕上りで一つの風合いを有します。
この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。
- 今注目の記事!