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2023年10月02日

9月は特選が3作品と無審査が2作品。|皇寿書壇2023年9月入選作品

9月は特選が3作品と無審査2作品を掲載いたします(編集部)

特選

飯塚 英子(翠瑤)

読み=禪房夏木深し(禅寺には夏の木立ちが樹蔭を深くしている)
夏に相応しい語句をすっきりと五文字お書き下さいました。「夏」字が梢大きく少し傾いた感がありますが清雅なる筆調で全体感美しく纏めております。

外丸 暁子(暁峰)

読み=世路風波有り
「風」字を大きく書きすぎましたが「路」字の終筆の勢いなどからして語句の意を強調されたのでしょう。確り紙面を捉えた筆先は淀みなく堂々と気骨ある筆致で引きしまり、敬意も確りして見応えある力作を許して特選とします。

吉田 美枝子(紫芳)

読み=静風梧竹に入る(すずしい風が梧(きり)や竹にそよぐ)
紙質の影響もあり掠れた線が生じやすく「梧」字などの掠れた線からは葉が揺れている様を表現しているように感じられます。全体に肉太の線で書かれておりますので清々しい作とは言えませんが、よく筆が動き律動し活気ある独自なる作を評し特選とします。

無審査

齋藤 北城

石の間から泉の流れる音が聞こえると一際暑いこの夏に清涼を感じさせる語句を老練多妙にお書き下さいました。
氏は九十歳を越えられておりますが、暑さに敗けず確りした筆致で紙面を捉え書線の安定感があり、枯淡にして味わい深き作をご出品下さいました。

森重 八舟

智永真草千字文の臨書作は草書六文字をお書き下さいました(真とは楷書のこと)肥えた線と痩せた線の変化の違いを捉えて用筆をしっかり学ばれようと努力されていることが窺えます。ちょ遂良雁塔聖教序の臨書作は字形よく真似て、安定した筆線で敬意もゆるぎなく好臨です。

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