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6月は特選が3作品と無審査が1作品。|皇寿書壇2023年6月入選作品
6月は特選が3作品と無審査1作品を掲載いたします(編集部)
特選
内山 光子(彩白)
読み=龍興し、張良有り。善く
清代後期、何紹基の臨書張遷碑を六文字臨書して下さいました。後漢の最後を飾る逸品の張遷碑をよく何紹基は学んだといいます。
さてこの作、素朴で雄大な書きぶりで隷法の意を得て筆力もあり、また布置よろしく余白にも美しさがあり均整のとれた見応えある臨書作です。
中里 薫(紫泉)
読み=我が安楽国と為る(私にとっての安楽国となった)
流麗なる筆致で送筆に余裕が感じられ、五文字を品位良く纏められており、独自性な筆調を評して特選とします。
草書は芸術的表現のうえではその姿体に変化があり、運筆に律動性があり流動的な趣や自由な表現が出来ます。筆圧の変化や速度の緩急・抑揚などを更に学び完成度の高き作を期待します。
大塚 一栄
読み=沈魚落雁(魚も恥じて深く姿を消して鳥も驚いて翼を収める。それほどの美人)
すっきりと清雅な趣を有し沈着に四文字を纏めて下さいました。結体も懐広く整斉で一文字ごと丁寧に書し、真面目な学習態度が窺えます。
今後もおおらかな運筆にて更に習熟され線質の充実を期待し特選とします。
無審査
森重 八舟
楷書作は前回までは虞世南の孔子廟堂碑を臨書して下さいましたが、今回お書き下さいました六文字は孔子廟堂碑にはございません。落款には臨と書かれておりますが、どの古典を臨書されたのか作品の裏に記入が無く、またどの古典なのか探している時間も無く判断できませんでした。臨書されました古典名を以後お記し下さいますようお願い致します。
字々画々気力充実の送筆にて纏めおりますが、「人・遵」字の終筆の技法が少々雑であることを残念に思います。
行草作もまた臨書されたもので、古典名が記されておりません。しかし前回まで空海の風信帖を臨書されており、気骨ある書風から察して顔真卿ではないと思い、争座位文稿であることに辿り着きました。
「而」字の横線が細すぎて「叛」字の懐が狭まいことなど難もありますが、これからじっくりと原本を観察されて律動感ある弾力をたくわえた用筆法に磨きをかけて下さい。
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