５月は特選が２作品と無審査２作品を掲載いたします（編集部）

特選

外丸　暁子（暁峰）

読み＝我が心は石に匪ず（石は堅くてもころばすことが出来るが我が心は堅固で動かすことが出来ない）
懐が広い字形で四文字を纏め気宇雄大で肥痩の変化よろしく重厚にして骨力有し含蓄ある書線にて堅い意思を感じさせ、深み溢れる快作です。

飯塚　英子（翠瑤）

読み＝花鳥風月（美しい自然のけしき・風流なこと）
形意整斉にして伸びのある線で、四文字自運の行書にてすっきりと纏めて下さいました。
沈着に澄んだ書線は明るさを有し、「風・月」字などのハネ・払いが一際目をひき、一つの作品として味わいを有しております。落款（お名前）がより定まっていたならば更に見映えした作となったことでしょう。

無審査

齋藤　北城

浮線なく確りとした筆調でよく気脈を通した自運の行書作です。
「新」字の懐が稍狭く、字形が少し傾いてしまったことを残念に思います。また、筆の鉾先が少々荒れてカスレた線がそれぞれの文字に生じております。しかし、その線質がまた味となり雅趣ある作となっており、練度ある沈着な筆線に力量を感じます。

森重　八舟

孔子廟堂碑の臨書作は「使」字の懐が狭かったこと、「地」字の終筆の技法と字形が定まっていなかったことが惜しまれます。
送筆の途中で止め・方向を変えて書く画で「折れ（転折ともいう）」の線がシャープすぎます。使用されております筆の影響もあると思いますが、筆を傾ける角度を調整し柔かい曲線を表現することを心掛けますとより原帖の雰囲気に似てまいりますので是非試みて下さい。
風信帖の臨書作は「因・還」の字形が稍違うものの、筆力があり用筆が深く紙に入り原帖の意を捉えた作で好臨です。