趣味
2025年01月30日
「時々は惚けた振りして様子みる」2025年1月入選作品|老友川柳
老友新聞2025年1月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
時々は惚けた振りして様子みる
新井 純一
八十代ともなれば、惚けた態度も納得されがちな中、実は頭が冴えていて、わざと装って状況判断とは。高等テクニックで、老いを遠ざけますね。
地 位
栄一の新札先ずは神棚に
王田 佗介
新しいお札のうち一万円の顔は渋沢栄一。初めて手にした時、大切に思えて神棚にお供え。暮らしにメリハリをつける上手な心にあやかりたいもの。
人 位
平和とは人それぞれの心です
岡本 政子
戦争や平和は自分の外からもたされる現象だというのは、実は思い込みなのだ。そのことをズバリ宣言する言い切りは、できそうでできない冒険です。
五 客
旅立ちのことばは一つ「じゃあまたね」
森井 睦子
口癖って、その人の個性ですよね。再会を期待する挨拶語には温かみが。母が死の前に口にしたのは「じゃあね」でした。
戦争はホントは誰のためなんだ
本庄 一郎
闇が暴かれる時代。戦争も例外ではありません。正義のためとされた奥にある実相に迫る、勇気ある一句に拍手です。
奇縁とも見える夫婦の共白髪
原島 幸男
「夫婦の共白髪」という、使い古された表現。これにどう命を吹き込むか。「奇縁」を冒頭に持って来たのは絶妙です。
終い湯で鼻唄が出る今日も無事
細川 ミキ
一日の最後に入浴。特段うれしい材料はなくても、無事で元気に過ごせたことに感謝。この鼻唄は広く共鳴を呼びますね。
共に老い犬のお散歩其れなりに
鈴木 曻
自分と愛犬が、老化具合まで仲良く歩調をそろえる。以前のように走れなくても、それなりの喜びを共に味わえる幸福。
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