趣味
2024年07月16日
「呆けた振りすれば本気にされる老」2024年7月入選作品|老友川柳
老友新聞2024年7月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
呆けた振りすれば本気にされる老
新井 純一
老境にある人の周囲の代表的不安は認知症でしょう。呆けた振りをしたら真に受けられてしまい…笑うに笑えない状況を句にしたのはお手柄です。
地 位
ほめられてほめて互いを磨き合い
阿部 良子
人をほめるにも技術が要るもの。いい所を見つけて言葉にすること自体、頭にも心にも栄養になるでしょう。ステキな仲間は健康長寿の条件ですね。
人 位
騙される程の金無く俺安泰
鈴木 曻
大金を騙し取られて泣く人を見たときの感想。かわいそうでもざま~見ろでもなく、自分は安泰だと胸を張る態度。この開き直りが共感を呼びます。
五 客
アゲハチョウ今日のお宿はどこですか?
杉本 澄子
たまたま出会った虫一匹にも、やさしい気持ちを抱き、語り掛ける。できそうでできないことです。川柳の可能性を拓く一句。
腰曲る俺にも届く藤の花
王田 佗介
満開を迎えた藤棚へ。腰の曲がりを気にしている自分にとって、花に手が届くのは喜びでしょう。素直な詠みっぷりです。
カーテンを開けて出てきた女優の名
佐野 磯雄
度忘れは恥ずかしさを招きますが、思い出せた喜びに焦点を当てた句には明るさが。女優が誰なのか、気になりますね。
ほどほどに撫でる孫への可愛がり
下田 尚保
孫の頭はつい撫でたくなるでしょうが、嫌がられるのを心配してか、ほどほどに自粛。微笑ましい心情描写ですね。
表札に犬の名前で威嚇する
新井 純一
とかく物騒な世の中。表札のないお宅も多いとか。表札に犬の名を家族として明記とは、考えましたね。実効性はともかく。
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