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2024年06月18日

「六億も盗まれ放つホームラン」2024年6月入選作品|老友川柳

老友新聞2024年6月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天 位

六億も盗まれ放つホームラン

王田 佗介

大谷翔平選手が通訳の賭博資金調達に利用され、莫大な被害金額に大方が度肝を抜かれる中、本塁打を量産。不動心への驚きを旨く表現しました。

地 位

肩書きが取れた名刺に味が出る

原島 幸男

肩書きを示すのが主目的の名刺。無役となっても、生き生きとした暮らしをしていれば、むしろ味が出るという、人生の応援歌になっていますね。

人 位

余生とは人それぞれの四月バカ

岡本 政子

ウソをついてもいいなら、どうするのか……その答えが余生ではないかと問いかける、哲学的な川柳です。ウソをつかない選択肢も、もちろんありです。

五 客

車座で顔それぞれも桜色

倉澤 登美子

おなじみのお花見風景。コロナ騒ぎが明けて、堂々と集まって飲み交わす笑顔は、春の風物詩健在を印象付けますね。

吝嗇家心はいつも便秘症

下田 尚保

りんしょくか、いわゆるケチンボへの同情か、皮肉か。体ではなくて「心の」便秘症という比喩が絶妙ですね。

サプリ飲み健康害して元も子も

本庄 一郎

健康を願って飲むサプリメントが、逆に健康を損なう引き金になるとは!生活見直しの契機になったかもしれませんね。

富士の雪溶けて流れて唯の水

鈴木 とく

誰もが仰いで尊いと感じる存在でも、実は時が経つと神通力を失い、平凡に。これは富士山に限らず当てはまりそうです。

二人とはいつか一人にちぎれ雲

櫓木 香代子

空を眺め、ちぎれ雲を目にしたとき、人生のパートナーもいずれ別れの時が来るのかと思い至る。切ない川柳にも魅力が。

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