趣味
2024年04月01日
「句読点忘れ止まらぬ話好き」2024年3月入選作品|老友川柳
老友新聞2024年3月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
句読点忘れ止まらぬ話好き
下田 尚保
途切れなくしゃべり続ける人って、居ますよね。それを「句読点忘れ」と表現、言葉のセンスが光ります。8・4・5音のリズムも新鮮です。
地 位
リハビリの杖が見つけた蕗のとう
倉澤 登美子
リハビリの一環で、外を歩いていると、季節を先取りする蕗のとうが。自分が、ではなく「杖が見つけた」とオシャレにまとめ、共感を呼ぶでしょう。
人 位
政治家と比較にならぬ俺の嘘
新井 純一
どちらの嘘がひどいのか敢えて言わず「比較にならぬ」の語で想像させるユーモア。自分のことを詠んでいて、実は政治家批判になる巧妙さが見事。
五 客
スマホなくこの世の中の迷い人
本庄 一郎
デジタル化を推進する行政や民間サービスに、ついて行けない高齢者は少なくない中、自嘲に見せて共感を呼び込みますね。
裏金を文化だなんて云う大臣
王田 佗介
裏金疑惑に開き直る現職の大臣。バカにするなという怒りをペンにのせる、風刺は川柳の大事な役目だと改めて気づきます。
嫁のネタ仲が悪けりゃ書けません
新井 純一
川柳でも他の文芸でも、夫人など家族を揶揄するような作品がありますが、それは仲良しだからと。ごちそう様です。
冬温し今日も笑って生きてます
岡本 政子
俳句のような五音の入りから、ですます調で締める。明るい調子の宣言は、読むだけで気持ちがほっこり和みますね。
順ぐりに生きてるだけで高れい者
小林 良一
「高齢者」と一括りにされがちですが、個人個人、歴史も立場も気持ちも異なるんですよね。内側の叫びが聞こえそうです。
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