趣味
2022年06月13日
「花吹雪核持つ国のある地球」2022年6月入選作品|老友川柳
老友新聞2022年6月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
花吹雪核持つ国のある地球
王田 佗助
桜の花が一斉に散る、美しくも儚い光景。核爆弾所持の国を巡るいがみ合いを見て、無常感にとらわれるでしょうか。心情描写を省いたのが効果的。
地 位
夢ならば醒めてくれるなこの平和
本庄 一郎
不穏な世界情勢の中、曲がりなりにも平和を実感する日常。本当は眠り込んでいないのに「夢ならば醒めるな」と叫ぶ、不条理表現が切なく迫ります。
人 位
無人駅主の顔して初つばめ
櫓木 香代子
駅員不在でも、つばめが存在感を示す駅。人間と野生の動物との関係がユーモラスに描かれていますね。季節感も盛り込まれて、おしゃれな一句。
五 客
クラス会未完の恋に会いたくて
山路 義隆
懐かしいメンバーの集まるクラス会。お目当ては、初恋の人か。それを「未完の恋」と位置づけたのがお手柄ですね。
疫病よ去れと鶯の谷渡り
倉澤 登美子
清々しい鶯を眺めるにつけても、長く続き、ウンザリする「疫病騒ぎ」に終止符をとの気持ちが湧く。共感を呼びますね。
袋いっぱい母の手紙が笑ってる
森井 睦子
筆まめなお母さまから届く手紙。心の支えになりますよね。「笑ってる」と擬人法を駆使し、親子の愛情がにじみます。
このさくらどうして春を知るのやら
栗村 正
春になるとどの桜も開花するわけですが、その「当たり前」に改めて疑問を抱く、若々しい発想がユニークです。
コロナ文字早く消したい紙上から
鈴木 とく
日々目にする活字に「コロナ」があるおかげで、びくびくに付きまとわれた暮らし。もうたくさんとの叫びが切ないです
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