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2020年11月09日

「なにげなく燈に近づきて夜の秋」2020年11月入選作品|老友俳壇

老友新聞2020年11月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

なにげなく燈に近づきて夜の秋

元松 五月

「夜の秋」は夏も終りになると夜は秋の気配がする、この季節感を捉えた季語です。作品は意図せず燈に近づく様子を季語が受け止めて、晩夏の夜の心もとない気分をそれとなく伝えてくれます。

オリオンが観たくて一人旅に出る

五木田 時子

オリオンは三つ星とも言われ、冬の夜に鮮やかに見えます。この名はギリシア神話の狩人オリオンの名に由来しますが、神話の世界に思いを馳せつつ旅をするには独りがよさそうです。

しばらくは風に身を置き草を刈る

王田 佗介

原句の下五は草刈機でしたが、風に身を置く人物を強くイメージさせるためにこのようにしてみました。中七音が巧みな作品で、重労働の草刈りに至福のひとときを得たようです。

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