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2019年12月09日

「稲刈られ名画のように陽が沈む」2019年12月入選作品|老友俳壇

老友新聞2019年12月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

稲刈られ名画のように陽が沈む

櫓木 香代子

この名画とは多分ミレーの絵「落穂拾い」でしょう。稲刈りのあとの光景をあれこれ細かく言わず、著名な名画から類推させた巧みな作品です。

戦中に飢えじと植えし栗たわわ

元松 五月

「桃栗三年柿八年」と言いますから植えたもののこの栗、当時の腹を満たすには間に合わなかったでしょう。たわわの栗の木を見上げて食糧難の時代を偲ぶ様子が伝わります。

あっぱれは天下の言葉今年米

山根 博子

昨今はパンを常食とする人が増えたようですが、我が国民にとって、身を養う食べ物の代表はやはり米でしょう。そのお米、それも新米を最高の誉め言葉で称えている句、新米のご飯に勝るものなしです。

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