老友新聞2018年3月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天

眼鏡ふき明日を見つめる去年今年

山根　博子

この明日は単なる明日というよりも未来の語意が強いでしょう。自身の未来、世の未来をしっかり見据えて歩もうとする年初の決意ですが、眼鏡を通して見えた未来は輝いていて欲しいものです。

地

一人去り会議解散春遠し

中村　和雄

途中で席を立つ人が居た会議、それを潮に解散したけれども結論もないまま中途半端に終わったのではないでしょうか。季語がそれを物語っています。

人

コツと割る温泉卵雪の宿

岡部　公二

宿泊客の少ない雪深い温泉宿を想像させます。朝食の場でしょうか、卵を割る音が響くように聞こえる。静寂と雪景色に心癒されそうな宿です。