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2024年05月21日

「今日もまた過去となりゆく春の月」2024年5月入選作品|老友俳壇

老友新聞2024年5月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

今日もまた過去となりゆく春の月

田原 きよ子

今日という時間を留めることは出来ません。今日も明日も当然のように日々過去になります。このどうすることも出来ない時の流れに身をおいて、過ぎゆく日を惜しみつつ春の月を眺めています。

春雨や支えられたる手の温み

倉澤 登美子

支えてくれる人の手の温みに、その人の心の温みを感じているのでしょう。おそらく手にかぎらず何かと助けてくれる人、この情愛がしっとり降る春雨に重なります。

桃の花好きのひとこと言へぬまま

王田 佗介

この新聞に投稿される方は高齢者でしょうから、言えなかったのは遥か昔だろうと想像します。時を経た今はそれを悔いたりしているのではありませんが、懐かしく振り返っている、微笑ましい思い出です。

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