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2023年09月12日

「まだ瀬音聞こえそうなる鮎もらう」2023年9月入選作品|老友俳壇

老友新聞2023年9月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

まだ瀬音聞こえそうなる鮎もらう

糸井 榮

釣って来たばかりのような生き生きとした鮎が届いたのです。その新鮮さは鮎がいたであろう急流の瀬音を想像させたようです。風味もひとしおだったでしょう。

打水の一番客となりにけり

小柴 一子

日暮時には入口に打水をして客を待つ料理屋、その打水のあと間もない客です。ひんやりとした涼しさを感じつつ店に入る心地良さが伝わります。いい料理を口に出来そうです。

ひとりでに灯る街灯梅雨に入る

櫓木 香代子

街灯も門灯も今はひとりでに灯るのが当然と思っていますが、昔は点火夫という職業の人が街を灯して歩いたそうです。ひとりでに点る不思議や有難さを改めて認識させられる作品です。なお原句の下五音は「梅雨早し」でしたが、梅雨入りによる感慨であるほうがいいと思います。

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