老友新聞2023年7月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天

閉校の最後の田植夕茜

佐野　磯雄

この学校の生徒達、毎年田植をしているのでしょう。中学校を想像しましたが閉校は生徒数が減ったせいでしょうか？最後の田植を夕焼が讃えているようです。

地

鍋鶴の終の一羽も引きいたり

本村　忍生

秋に飛来した鶴が春に北方へ帰ることを「鶴帰る」「鶴引く」と言います。作者は冬の間この地で過ごす鶴の姿に親しんでいた人です。次々と飛び立ち、最後の一羽も去りゆく様子に無事を祈りつつ別れを惜しんでいます。

人

山々は雪の白から木の緑

小林　良一

常に雪で覆われていた山が樹々の緑色になったのです。雪国の山がまるで衣替えしたかのようですが、雪深い地に住む人々にとってこの緑は活力の源になりそうです。