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2022年12月09日

「身に入むやマスクかけたる六地蔵」2022年12月入選作品|老友俳壇

老友新聞2022年12月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

身に入むやマスクかけたる六地蔵

倉澤 登美子

「身に入む」は秋冷をしみじみ感じることを言い、心境的な要素を多分に含む季語です。このマスクは寒さに向かう季節の六地蔵への思いやりでしょうけれど、「身に入む」の季語から、お地蔵様も疫病に感染しないように、との作者の気持がしのべます。

萩活けて遺影の妻をよろこばす

本村 忍生

亡き妻は萩の花が好きだったのでしょう。もう何をしても生存中の妻に喜んで貰うことはできないのです。せめて遺影の妻を喜ばしたい。まことに切ない作品です。

寄鍋にいつしか廻る酒の酔い

荻野 徳俊

季語は寄鍋です。寄鍋には日本酒が合いますね。「いつしか」が良いと思います。いかにもゆっくり鍋料理を、酒を楽しむ様子、食べることの幸せが伝わります。

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