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2022年01月24日

「コロナ憎らし 行き来も出来ぬ 初ヒコ生まれも タブレット」2022年1月入選作品|老友都々逸

老友新聞2022年1月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

コロナ憎らし 行き来も出来ぬ
初ヒコ生まれも タブレット

小林 良一

ヒコは曾孫で孫の子。ホントに何処へ出掛けても傍迷惑かと、つい自粛してしまいますね。タブレットでは抱けもしませんね。

地の位

ブラックホールは 多くが謎で
天体科学の進化待つ

天野 照華

古来、人類は夜空に多くの問いや物語を描き続けてきましたね。

人の位

地球環境 皆んなで守れ
プラスチックよ サヨウナラ

山田 浩司

人類に多くの得(とく)をもたらしたものも不死身であれば厭(いと)われる例(ためし)。

九 客

どっと見舞いに 押し寄せられて
姉は名前が 出て来ない

櫓木 香代子

姉上様は九十四歳とのこと。普段のお元気とお人柄の良さが、大勢のお見舞客を迎えていらっしゃるのですね。

柚子湯入って 大きな欠伸
時間長者の この余生

向井 智恵子

時間だけは有り余る程ある身に柚子湯の柚子が顎に当たる。

妻が拾って来た山栗で
秋を味わう 栗強飯(くりおこわ)

王田 佗介

奥様に頼っていればいい幸せで素晴らしい秋の味わいを、ふっくらと表現しましたね。

皇帝ダリアの 咲く小春日に
見上げながらの 立ち話

手銭 美也子

草丈(くさたけ)の高さも皇帝の名にふさわしく、近年衆目を集めている品種ですね。下の句がよく様子を表しています。

お迎え来たって まだお断り
こんな良い婆婆 捨てられぬ

鈴木 とく

百歳になられた方かと存じます。心意気の若々しさがご丈夫の秘訣なのでしょうね。

故郷浅草 遠くになって
いいねを押しつつ 見る姿

倉澤 登美子

望郷の念を抱きつつ。「姿」は「浅草」と「ご自身」。

さようならとは淋しい言葉
後を木の葉が 追いかける

惣野代 英子

木の葉に心が宿っているかのように……。

コロナしぶとく 未だ未だ消えぬ
聞かせたく無い除夜鐘

鈴木 曻

しぶといコロナに年越しの鐘を聞かせたくない、旧年中に退散しろ、と詠みましたね。洒落てますね。

今は韓国 なかなか行けぬ
空の青さを 夢にみる

菊地 幸子

「六十歳の時に私の出生地と父の勤務地を訪ねました」とある。遙なるご人生を振り返られたのですね。「韓国併合」という歴史上の言葉を私共は思いうかべます。

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