趣味
2020年03月25日
「今日の一日も 感謝に暮れて 家族笑顔の 夕餉膳」2020年3月入選作品|老友都々逸
老友新聞2020年3月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天の位
今日の一日(ひとひ)も 感謝に暮れて
家族笑顔の 夕餉膳
惣野代 英子
ドボルザークの新世界「家わざ路」「今日の業をなし終えて…いざや楽しき円居(団欒)せん」の日本版。羨し。
地の位
近くに居ながら 会うことなしの
眼鏡つないだ両の耳
向井 智恵子
同じ役目を果たしながら近くに居ながら、耳子・耳夫は相見ることが無い、と今更ながらのことを滑稽歌風に仕立てましたね。
人の位
祝う新年 二輪の梅が
初日に向かった 夫婦咲き
勝亦 はる江
いかにも「夫婦咲(めおとざ)き」と呼ぶに相応(ふさわ)しい咲きっぷりの梅、そう受け止めた作者の喜びがよく伝わっています。
十 客
桜を見る会 中止にしても
消えずたなびく 春がすみ
岸 慶子
中止したって国民には春霞の中の疑惑はぬぐえて居ません。透いて見えますね。
親に貰った本名よりも
雅号身につく五十年
飛田 芳野
短詩型文芸に長く拘(かかわ)っていらした御経歴に心から敬意を表します。
千両万両 実も鮮かに
生ける日数える 年の暮
手銭 美也子
数え日となった師走に正月のお飾りのことを想う楽しさ。
いくつになっても 故郷はいいな
母の愛情 陽の匂い
王田 佗介
小学唱歌「故郷(ふるさと)」。「うさぎ追いし・山はあおき・水は清き・思いいずる」そして母上様の愛と陽の匂い。(いいなあ)
父の故郷(ふるさと) いとこも逝って
距離がますます遠くなる
秋広 まさ道
都会に住む人間に共通した感覚の一つですね。
生きて行くのに ちょっとやたんま
そんな日がありゃ いいのにね
岡本 政子
遊びの中での真剣さが「ちょっと」や「たんま」にはありますね。人生には、やり直してみたい日々がありますものね。
今日も一日 穏やか暮らし
笑う門には 福がくる
高木 まつ
「笑門来福」。日々こうありたいですね。
雪の新潟たっぷりつもれ
秋の収穫コシヒカリ
山田 浩司
雪の多い年の秋は豊年とか。佐渡おけさの情緒が漂っています。
いよいよ令和も二年となった
今年は災害 来ぬ様に
鈴木 三保子
ホントにそうですね。
かっとなっても黙ってこなせ
嫌な仕事も挫(くじ)けずに
黒木 弘
若い人に向けての応援歌。ご自分の苦労をバックにしたお作ですね。
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