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2020年02月14日

「十時出 四時には帰宅 老人旅行の 紅葉狩り」2020年2月入選作品|老友都々逸

老友新聞2020年2月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

十時出 四時には帰宅
老人旅行の 紅葉(もみじ)狩り

櫓木 香代子

数字を逆にして、早朝四時の出発で深夜十時の帰宅と、一日を目一杯楽しみたいのに、という気持が「~には」に出ています。でもお元気が何より。

地の位

八十路過ぎても 解からぬ事が
あって浮世を浮き沈み

鈴木 曻

そうですね。それも楽しみですね。「を」が詩としての動きを見せていて面白い。

人の位

歩く速さで 暮らしていたい
人のやさしさ 思いやり

高木 まつ

あせらず急がずの日常にこそ、人情も思いやりも芽生えますね。

十 客

雨戸開ければ まぶしい光
樹々も化粧の 雪の朝

菊地 幸子

深夜から朝にかけて降り積もった大雪。豪雪地帯であればこその光景。

山茶花咲く道 どこまで続く
マーチのリズムで リハ散歩

倉澤 登美子

リハビリの為の散歩ゆえ、だらだら歩きではなくマーチのリズムをとるのです。山茶花が応援して呉れていますね。

帰省嬉しや 笑顔が揃う
丸い炬燵の 夜が更ける

惣野代 英子

迎える側も戻って来た側も、団欒の円居(まどい)に年末の、年始の喜びを感じているのですね。

羽根つき凧上げ 着物を着てる
遊んだ思い出 懐かしい

天野 照華

「着物を着てる」は、ご自身の幼い姿。まるで映像を見ているようですね。

旅は道連れ なつかし昔
今じゃスマホで 皆無口

鈴村 三保子

知らない人達と知り合ってのお喋りも旅の楽しさの一つでしたね。

傘はおしゃれな 水玉模様
雨も楽しい 身も軽い

山田 浩司

身近な女性の御洒落を詠んだのでしょうが「~楽しい身も軽い」と主観的に表現して喜びを強調しましたね。

ドローンと申さば 昔はお化け
今は空飛ぶ 偵察機

鈴木 とく

ホントにそうですね。いけない所に空から侵入させて撃ち落とされたりして…。

氷、氷柱(つらら)で 遊んだ頃の
寒さ知らない日が 恋し

大石 志津江

氷も氷柱も、寒ささえも遊び道具であり、遊び相手なのですね。恋しい昔ですね。

ルールわからぬ ラグビーだけど
にわかフアンの顔と顔

小林 良一

私もよくわからないのですが、力を入れて観ます。

炬燵抱えて 寒さは骨身(ほねみ)
春よこいこい 早くこい

岸 慶子

本紙新春号にご自分で仕立てた「老友浴衣」をお召しの御写真姿が載りましたね。一層お元気で。

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