趣味
2017年07月14日
2017年6月入選作品|老友都々逸
天の位
達磨に目を入れ沸く万歳に
深々お辞儀の日焼け顔
手銭 美也子
当選した瞬間のこの味。選挙と一言も言わずに事務所の動きと雰囲気を表現してお見事ですね。
地の位
おまただいすきおまたがすきよ
おまたあなたの方言よ
岡本 政子
スマホで検索すると、「おまた」とは焼津の方言で「お宅」「あなた」。使用例=おまたん子も、はあ小学生かね。はえーのー。(お宅の子ももう小学生なの。はやいもんですね)とあった。三波春夫の「おまんた囃子」も(あなたがた)の意味ですね。
人の位
後期の頭に超まで付いて
生きてていいやら気が引ける
王田 佗介
超後期高齢者という自虐を下の句で面白く表現しましたね。齢を考えずに暮らしてますが私も同感です。
十 客
信州高遠(たかとう)小彼岸桜
山もピンクに染まる春
三橋 ユキ
小さくふるえる肩抱き寄せた
遠いあの日の草いきれ
福田 浩明
昼寝三食薬もついて
九十を生きてる果報者
勝亦 はる江
しゃべるなかれと言われたけれど
知れば滑ってしまう口
大西 和子
あれとこれとがこんがらがって
固有名詞のない会話
橋本 くにお
縦糸横糸織り込む布は
わたし好みの錦織
天野 よし江
お花大好き咲かせて笑顔
嫁と姑でいい会話
惣野代 英子
貧しかったが子育て頃が
今に思えば花の時
仲野 まつ乃
ブザー鳴っても居留守をきめて
たまの日曜二人きり
山田 浩司
曇る鏡に一息かけて
母はパートの紅を差す
飛田 芳野
この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。
- 今注目の記事!