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2024年10月31日

「すず虫鈴の音 ころがす美声 秋をわが世と謳歌する」2024年10月入選作品|老友都々逸

老友新聞2024年10月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

すず虫鈴の音 ころがす美声
秋をわが世と謳歌する

岸 慶子

すず虫や松虫等の鳴く虫達は、確かに秋は我が世と思っているのでしょうね。じき来る冬までの短い命…。人とても同じ…。

地の位

空の土俵で 入道雲が
仕切る立ち合い 東西(ひがしにし)

王田 佗介

空を土俵に見立てた大きさが良い。止めは「西東(にしひがし)」でも落ち付く感がする。

人の位

涼みがてらに 戸口を開けりゃ
二重(ふたえ)の虹立ち 弾む声

手銭 美也子

虹を見つけた時は、思わず家中の者に知らせたくなりますね。それも二重の虹…。

五 客

夏日真夏日 まだまだ続く
秋はすぐそこ 虫の声

菊地 幸子

リズムの良い作で、秋を心地よく連れて来ましたね。

信州信濃は 唱歌の宝庫
唱歌「故郷」わが誇り

下田 尚保

兎追いし…の「故郷」「朧月夜」「春の小川」…など小学唱歌の多くを作詞した高野辰之氏は長野県中野市ご出身で同市に「高野辰之記念館」が在る。これが誇り。

いずれ人類 滅びるけれど
馬鹿なリーダーはやませる

佐野 磯雄

※「はやませる」=速くさせる。
悲しい見通しだが、人類はいずれ滅びるらしい。しかし、なるべく遅くあって欲しい。

雪が無くても 見事な姿
富士のお山は 世界一

鈴木 とく

「頭を雲の上に出し、四方の山を見下ろして、雷様を下に聞く、富士は日本一の山」という小学唱歌を思い出します。

何度も何度も「エーなんですか?」
耳に手をやる 老いの日々

岡本 政子

私もそうなので、お察しいたします。これぞ「老友」ですな。

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