趣味
2024年06月28日
「嫁ぐ日めでたい三幅対を 掛けて柏手父祖の恩」2024年6月入選作品|老友都々逸
老友新聞2024年6月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天の位
嫁ぐ日めでたい 三幅対(さんぷくつい)を
掛けて柏手(かしわで) 父祖(ふそ)の恩
手銭 美也子
掛軸も対(つい)の三幅を掛けて、御旧家らしく床の間に格を持たせた目出度い喜びの日。
地の位
揃った家族で 米寿の祝い
幸せ気分で 飲むお酒
倉澤 登美子
作者ご自身の八十八歳ですね。酒豪とは言えないのに、少々タガを外したお酒になったことが心嬉しいのですね。
人の位
逝った仲間を 花見の席に
呼んで賑わう 長寿会
王田 佗介
長寿の方々のお花見会で、先に逝ったお仲間を偲んでいる風景。懐かしの友よ!
五 客
銀座のホコ天 インバウンドで
ごった返しの街になる
下田 尚保
因に「ホコ天」とは「歩行者天国」、「インバウンド」とは「訪日客(外国から来た客)」のこと。つまり東京の銀座通りに自動車を入れずに街が外国人の多い歩行者だけになること。円安だからかも…。
ラジオ体操 すてきな声だ
いつも一緒にイチニッサン
山田 浩司
小学生の頃、公園や街角で夏休みのラジオ体操に参加してカードに印を押して貰った覚えがあります。二学期直前に頂くご褒美が楽しみでした。
辰野金吾に 再び光
佐賀の唐津が 生誕地
櫓木 香代子
辰野は日本銀行本店や東京駅などに関った近代建築の父とも言える人。
捨てずに残るよ タンスの財布
空っぽばかりが 五個もある
岸 慶子
空財布が五つ在っても他人にやる訳にもいかず…のご心境。
好きなお酒を きっぱりやめて
そこに顔出す 好きなこと
佐野 磯雄
「止め」の「好きなこと」が作者の「お人柄」を表すことなのでしょうが、態(わざ)と隠して楽しんでいますね。
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