趣味
2023年12月21日
「玉手箱だと 娘に告げる 母の残した お針箱」2023年12月入選作品|老友都々逸
老友新聞2023年12月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天の位
玉手箱だと 娘に告げる
母の残した お針箱
倉澤 登美子
「針箱」に「お」を付けただけで、母上から脈々と続くご一家の縫い物への敬愛が滲み出ました。
地の位
瞼閉じても 浮ばぬ母よ
遠い昔さ 七〇年
鈴木 曻
母上への想いが「よ」という呼びかけの一音で良く表せました。「さ」の受けもよい技法となってます。
人の位
昨夜熱燗 今夜は冷酒
季節いったり もどったり
王田 佗介
季節を往き戻りさせているのはご自身のお酒のくせに、他人事風に詠んで面白くとぼけていますね。
五 客
あれもこれもと デパート売場
財布の中など 考えず
鈴木 とく
デパートという所は、そうした魔力と魅力のある所なのですね。
ああいい香りと 道行く人が
金、銀木犀 褒めて往く
岡本 政子
ご自宅のお庭のわきの通りすがりの人達の声を耳になさって、嬉しく思われたことを表現なさったのですね。
猛暑続いて 縮まる秋よ
お役御免の 扇風機
鈴木 曻
夏が威張って、なかなか秋にさせなかった今年ですが、やっと扇風機にお疲れ様が言えましたね。
お寿司と煮物と お菓子を持って
次男が来ました 久し振り
藤本 洋子
普段はご一緒に住んで居ないから、ご長男以上に愛しく感じるのでしょうね。ご長男ご一家の日々のご苦労にも感謝なさって下さいね。
今の戦争 二国でやれば
すぐに終わるぞ 待った無し
小林 良一
そう思いたくもなりますが、世界戦争を嗾(けしか)けてはいけませんぞ。
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