老友新聞2023年10月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

あっと言う間に　災難起きる
皆んな用心　御要心

鈴木　曻

関東大震災から百年目の今年。九月一日をはさんで特集で放送したテレビ局が多かった。ホントに「用心、御要心」ですね。

地の位

唐津鶴城　同窓会の
会報　払込み用紙付き

櫓木　香代子

私の場合の東京上野高校も振り込み用紙付きですよ。

人の位

こぼしながらも　つぎつぎ花を
咲かせひと夏　百日紅（さるすべり）

王田　佗介

炎天の地上花あり百日紅という堂々たる句もあります。百日紅は難読漢字ですね。

五　客

四年振りだネ　出雲の踊り
市長も先頭で　「アラヨンヤセー」

手銭　美也子

掛け声の「アラヨンヤセー」がユニーク（珍しくて独得）ですね。

やぐら太鼓に　デカンショ祭
上がる花火に　踊りの輪

岸　慶子

「デカンショ祭」という行事が在るのですね。さぞ豪快な踊りなのでしょうね。あとの半年ゃ…どうしてますかね？

故里自慢の　隅田の花火
混雑規制の　遠花火

倉澤　登美子

今年は四年振りの東京隅田川花火大会でした。生まれ育った土地っ子の作者でも人出の多い見物会場には近寄れませんでしたか。

暑いあついと　言っても暑い
富士のお山も　雪が無い

鈴木　とく

富士山の観察で他の土地の者が、静岡県や山梨県の方々に口出しは出来ませんが、雪が無い富士山頂はちと淋しいですね。

雨が降らずに　一月以上
トーモロコシさえ　枯れている

藤本　洋子

他にも期待していた作物があったのでしょう。残念なお気持ちが私にもよく伝わってきます。