老友新聞2022年10月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

未知の天空　大銀河団
撮影成功　しましたね

天野　照華

上の句「未知の天空大銀河団」の出が見事。下の句のさらりとした流しも上の句とマッチしています。

地の位

バトン渡した　日本の巨星
羽生結弦の　「金メダル」

櫓木　香代子

羽生結弦や大谷翔平。スポーツ界での活躍は国民の胸を晴れ晴れとさせて呉れますね。

人の位

同じ体験　心が痛む
子供怯える　ウクライナ

倉澤　登美子

同じ体験とは第二次世界大戦時の我々の体験ですね。私共もＢ２９から逃げ惑いました。

五　客

海の涼風　座敷に入れて
手と手つないで　する昼寝

王田　佗介

真夏の作。さぞよい白昼夢をご覧のことと拝察。

あたし蠍座　あんたは射手座
追いつ追われつ　夏夜空

岡本　政子

さそり座は夏の星座。南の空、天の川の近くに低く、一等星アンタレスの赤い色が目立つ。「さそり座の女」という流行歌も懐かしい。

コロナコロナで　身動き出来ず
いつの間にやら　鱗雲

手銭　美也子

コロナで旅行も出来なかった夏も終わって、鱗雲によって急に秋を気付かされる。

暑い太陽　眠りにつけば
三日月眺めて　夕涼み

菊地　幸子

夜になることを太陽が眠りにつくと表現。真夏の夕涼みはクーラーの生活とは違う豊かさがありますね。

ロシアの侵略　いつまで続く
早く平和が　来るように

藤本　洋子

皆、落ちついて―と作者の添え書きがありました。