コラム
シニアのためのマネー講座 | 麻生 直人 税理士
2017年05月26日
家族への給与支払による所得分散と対外的信用力|個人と法人どちらが得?会社設立のメリット③
所得税は、超過累進税率となっており、所得が多くなるほど税率が高くなります。そこで、自分の家族に仕事分担に応じた給与を支払って所得分散することにより、さらに節税ができるのです。
これは、個人事業でも青色事業専従者給与を支払えば同じことと思われるかもしれませんが、少しでも専従者給与を支払った場合には、それに対する配偶者控除や扶養控除は一切受けられなくなるのです。
ところが、法人の場合は、家族に103万円未満の給与を支払った場合でも、配偶者控除や扶養控除を受けることができるのです。
例えば、妻が月額8万円、すなわち年額96万円の給与を受け取った場合、妻本人には所得税、住民税とも全く課税されないうえに、法人では96万円の損金が計上され、さらに役員である夫の控除対象配偶者にもなれるのです。
また、税金面以外のメリットとしては、法人のほうが個人事業より社会的な信用が高くなるようです。実際に、法人でなければ取引しない方針の企業もあるようなので、取引先の要請で法人設立をするケースも多く見受けられます。
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