コラム
シニアのためのマネー講座 | 麻生 直人 税理士
退職後、起業するシニアが増加!個人と法人どちらが得? 会社設立のメリット①
起業する30%がシニア層
退職後、勤務時代の経験を生かして事業を始めたいというシニアが増えています。起業する30%がシニア層という調査結果がでており、若くして起業するよりも、人脈や資金面で有利といわれています。
このコラムで会社設立のメリット・デメリットを数回に分けて解説しますので、ぜひ参考にしていただき、会社を設立して事業を運営するべきか、それとも個人事業として始める方が良いのかを検討してください。
会社設立のメリット①(給与所得控除の利用による節税)
会社設立して事業を運営する場合の代表的なメリットのひとつとして、給与所得控除の利用による節税があります。
給与所得者(サラリーマン)が収入を得るための経費としては、スーツなど仕事用の衣服やスキルアップのための研修費用などの様々な支出があるかと思います。
しかしながら、そのような経費を個別に把握することは現実的に困難であるため、給与所得控除という給与収入に応じた概算経費が決められています。
この概算経費は、実際の経費支出は必要なく、当然領収書なども不要です。
給与所得控除は、たとえば給与収入が800万円の場合200万円となります。
会社を設立して事業を運営する場合、会社から自分に給与を支払うことになりますが、個人事業の所得が800万円の場合、この事業を会社化して同額の給与を支払えば法人利益はゼロになります。
この場合、個人事業では800万円の事業所得に対して所得税・住民税・個人事業税が課税されますが、会社化して運営した場合には200万円の給与所得控除を差し引いた600万の給与所得に所得税・住民税のみが課税されます。
すなわち、会社の経費となった800万円の給与が、個人では給与所得控除という概算経費を差し引くことができることと個人の所得が事業所得ではなく給与所得となるために個人事業税が課税されなくなることで大きな節税となります。
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