コラム
玉木正之のスポーツ博覧会
2020年10月09日
来年の東京五輪中止なら北京冬季も中止とのIOC委員発言の意味は?
1年延期された東京五輪の開幕まで約1年となった6月17日、組織委員会は予定通りすべての協議を開催するとして、新たなスケジュールを発表した。
そして国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長も、新型コロナの世界的感染を心配しながらも、準備は順調と発言。
しかしそんななかで、IOCの古参委員であるカナダのディック・パウンド氏が、意味深長な発言を口にした。
「東京五輪学牛と鳴ったら、約半年後に北京で開催予定の冬季五輪も中止です」
この発言は、都知事選の最中に何人かの候補者が東京五輪の中止や再延期を求めたのに対する、小池都知事の次の発言に答えたものと言えた。
「東京五輪が中止になれば中国が漏気五輪を国を挙げて行う」
ならば我々が
「コロナに打ち勝った証(あかし)を示さなければ……」
これは明らかに五輪を「政治利用」した発言だが、組織委や政治家のなかにも同じ考えを口にする人物は多い。
そこでパウンド氏は
「そんな心配をしなくても、同じ東アジアの東京と北京の開催条件は同じ」
と言ったのだ。
「だから中国の事など考えず、中止しても大丈夫……」
と。
実際問題、
「東京五輪の再延期はない」
と、バッハ会長が断言しているなかでは、開催か中止かの二者択一の選択肢しかない。
そして来年7月下旬の開幕の為には、予選大会を遅くとも2月には始める必要があり、それには新型コロナウイルスのワクチンや治療薬が年内に完成していなければ……。
と考えれば、専門家でなくとも多くの人々が不可能と考えるほかない事態と言える。
バッハ会長は大会の縮小化にも反対の様で、コトはパウンド氏の「予言」通りに進む気配?
ならば日本国民として税金の無駄遣いをできるだけ抑えてほしいが……。
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