コラム
玉木正之のスポーツ博覧会
コロナ禍の今こそ、スポーツ界の改革と進化を考えよう
5月25日。非常事態宣言が全国的に解除され、プロ野球は6月19日の開幕に向けて動き出した。練習試合を2週間ほどこなしたあと、無観客での開幕となるらしい。
Jリーグもやがて開幕するだろうし、夏の甲子園大会やインターハイが中止になったのは、高校生たちにとっては残念だろうが、私は、コロナが早く終息して「元の状態に戻ってほしい」という意見に賛成することができない。
どうして、せっかくのこの機会に、「元に戻る」のではなく、「もっと良い形に進化すること」を目指さないのか?
たとえば高校野球。今までの形に戻すなら、多くの高校の学期末試験の最中に地方予選を行い、地球温暖化の進む猛暑のなか、日本でも最も暑い関西地方での全国大会に「戻す」ことになる。それを少しでも涼しくなる8月下旬にうつすという意見が出てもいない。
いや、新学期の始まりを9月に移す案も検討された現在、春・夏・冬の休みの期間も再検討し、学生スポーツや高校スポーツは、どの期間に、どのような形で行うのが、大学生や高校生、そして中学生にとって最も良いやり方になるのか?……ということを、今こそ検討し、意見を闘わせ、新しい「学校スポーツ様式」を打ち立てるとき……と言えるのではないだろうか?
いや、学校スポーツだけではない。延期が決まったオリンピックも、1年後にコロナ禍がまだ十分終息しないなら、世界各地で行うスポーツをネットでつないで開催するとか、試合時間が3時間半にも及び始めたプロ野球は、7イニング制で行うとか、あるいは2ストライクで打者(バッター)アウト。3ボールで打者は一塁へ、といった具合にルール変更を考えてもイイだろう。
今こそ「元に戻す」より「前進」を考えるべきでは?
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