コラム
玉木正之のスポーツ博覧会
「スポーツばか」なんて言葉は、もはや「死語」!
今年のスポーツ界はレスリングの吉田沙保里と横綱稀勢の里の引退で幕を開けたが、最近の日本のスポーツマンの引退は、昔と様変わりした。
あるスポーツ議員連盟の会合で、「私、タイガースでピッチャーをやってました」という人物から渡された名刺には「△△会計事務所 公認会計士奥村武博」と書かれていた。1998年に岐阜県土岐商高から阪神に入団。2001年に戦力外通告を受けた彼は、そこから一念発起。超難関の国家試験に合格し、現在39歳で、公認会計士として活躍している。
またJリーグのガンバ大阪やヴィッセル神戸でプレーした八十祐治さん(49)は、日本フットボールリーグ(JFL)の横河電気で43試合に出場したあと00年にサッカー界を引退。猛勉強して05年に司法試験に合格。現在、弁護士として活動している。
さらに福井工業大学卒業後、91年にプロ野球入りした水尾嘉孝さんは、オリックスや西武の中継ぎ投手として活躍したあと渡米してマイナーでプレー。06年に退団後大阪の老舗レストランで修業し、50歳の今は東京・自由が丘でイタリアンレストランのオーナーシェフとなっている。
NHKのドラマ「平清盛」や、「花子とアン」などで俳優として活躍し知恵る藤本隆宏さん(48)は、バルセロナ五輪の水泳400m個人メドレー8位のアスリートだ。
現在では、将来の医者を目指しながら柔道の世界選手権で優勝した朝比奈沙羅さんのような選手も生まれている。
錦織圭選手のインタビューの受け答えでもわかるように、いま世界レベルで活躍する日本のスポーツ選手は、誰もが英語を話せる。実際、特別強化選手になったアスリートは、英語の特別授業も必修になっているのだ。
もはや「スポーツばか」なんて言葉は死語になりましたね。
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