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玉木正之のスポーツ博覧会

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2025年03月26日

アメリカ野球に和製英語はダメか?

あるテレビ番組で、アナウンサーが、こう言った。

「シーズンオフの話題は佐々木朗希投手。メジャーのストーブリーグは燃えています」

些細なことだが、二つの英語の間違いが気になった。
一つはシーズンオフ。オフシーズン(offseason)が正しい英語だ。もう一つはストーヴリーグ。日本ではシーズン後のトレードやドラフト、フリーエージェント選手の話題を指すが、英語の意味は、野球ファンが寒い冬にストーヴを囲み、シーズンを振り返る話が盛りあがることを指す。

他にも日本でしか通じない野球和製英語は、フォアボール(英語はベース・オン・ボールズ)、デッドボール(英語はヒット・バイ・ピッチ)などがある。ナイター(夜間試合)は和製英語ではなく、ノーヒット・ノーラン・ゲームをノーヒッターと言うのと同様、ナイターは英語でもナイトゲームのことで使える。

が、最も面白い和製英語が、バスターだ。バッターが送りバントの構えから強打に転じる打法を日本ではバスターと呼ぶが、「buster」は本来「ぶち壊し屋」「バカ騒ぎ」の意味。この言葉は「スッゴイ!」「やったぜ!」といった感嘆詞として使われる。

1963年に巨人がドジャースの春のキャンプに参加したとき、練習試合でドジャースがこのプレイを行い、ベンチの選手や観客が「オー!バスター!」と叫んだ。それで巨人のコーチや選手が、このプレイを「バスター」と呼ぶと誤解したことからこの呼び名が日本に広まったという。

最近はメジャーで多くの日本人選手が活躍し、「SANSHIN!」と叫ぶアメリカのTVアナウンサーも出る時代。しかし「シーズンオフ」「ストーヴリーグ」「バスター」などの和製英語は、やはりアメリカでは使われないかな?

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玉木 正之
  • スポーツライター 音楽評論家 小説家

新聞や雑誌で執筆・評論活動を展開するほか、TV・ラジオ番組に多数出演。主著に『スポーツ解体新書』『不思議の国の野球』『オペラ道場入門』他多数。

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