コラム
第1回 城の履歴書<見えないものを見つけに行く>
「城巡りって何がそんなに楽しいの?」「あんな所なにもないじゃないの」と女性友達からはよく言われる言葉です。私にとってお城巡りは歴史の勉強でもなく、建築、文化の研究でもありません。鼻の頭をピクピクさせながら思いっきり想像力を働かせて何に捕らわれる事もなく自由に「見えないものを見つけに行く事」です。
城は単なる歴史的な建物ではなく、文化、産業、食も含めその町、地域そのもの。その先には「人」ありきの人間研究。当時の人の生きざまを知る過去の扉が私の城巡りの醍醐味!
城巡りというと→日本の歴史→難しい→固い→苦手とこの様な図式が一般的です。
城巡りはまさに想像力。映画を見たり、美術館で絵画を鑑賞するようにルールも決まりもなく気ままに楽しめるものだと私は思います。どんな武将が何年に建て○○合戦には……など。
確かに知識があればそれも一つの楽しみ方ですが、そんな教科書的な勉強は後から付いてくるもので、堅苦しい鎧は脱ぎ捨ててカフェでお茶をするように自由に「ここ、好きかも?」という気持ちで想像力を味方に楽しむ事から始めませんか?
その前にちょっとだけ情報があると城巡りはさら楽しさが増すので、今回はドアーをノックする感覚でご案内しましょう。簡単な城の履歴書です。
城は大きく分けると上代、古代、中世、近世の四つになります。皆さんが城と聞いて思い浮かべる壮大な天守や石垣の姿は近世のものです。よく「戦国ロマン」と言いますが本来戦国時代の城は中世のものです。観光名所になっているような天守の誕生は戦国時代の末期。城の歴史はとても長く、その中で天守は近代の高層建築になります。
もともと城は防衛施設で軍事基地。13~16世紀には3~4万もあったとされています。狭い日本城だらけだったようだすね。きっと皆さんのお住まいの地域にも城の片鱗が息づいているはずです。
天守=城という垣根は是非取り払ってください。天守は単なる城内の建築物です。「○○城跡」という立札のみが残されている所も沢山あるように、城は地域。その地域の文化芸術に触れ、先人の知恵や工夫、職人技を探しあてたり、自由な楽しみ方を見つけてください。
城が姿を消してしまった理由には、①一国一城令 ②明治の廃城令 ③第二次世界大戦があります。また武家諸法度という法令もありました。歴史の渦の中で現存天守は12棟。
さあ、何処でしょうか? 想像してみてください。次回からはいよいよ城巡りをご案内いたしましょう。音楽を聴くように自由に城旅をお楽しみください。
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